ランディングページは、中小企業にとって新規顧客獲得や問い合わせ増加に直結する大切なツールですよね。
しかし「デザインはきれいなのに反応が悪い」「お金をかけて作ったのに反応がいまいち」と悩む経営者や担当者は少なくありません。
本記事では、成果につながるLPに改善するための実務的なチェックリストについて考えてみました。
現場でそのまま活用できる内容ですのでぜひ参考にしてみてください。
ターゲティングの不一致
まず最初に、私が多くのLPを改善してきて多く思うことが、そもそもLPがターゲットに合っていないことが多い、ということです。
たとえば、LPへの流入元のキーワードでは「格安」「お得」といったキーワードを用いてLPにアクセスを集めていても、実際のLP自体はとても高級感があって洗練された作りになっており、金額よりも内容の質の高さばかりを語ってしまっているケースというのはよくある話しです。
この場合、「格安」「お得」といったキーワードで集客をしているのであれば、ページもそれを主体に作らなければ成約に結びつきません。
まずは「誰が」「何を」「いつ」「誰に」「どのように」「いくらで」「なぜ」提供するのかを考えてLP全体を作ってみることがとても大切です。
ファーストビューの最適化
LPの第一印象というのは数秒で決まります。
ファーストビューというのはページを開いた時に一番最初に見える部分の事を言います。
LP用途のWebページでなかったとしても、一般的にWebページとは、ページを開いた数秒でほとんどが決まると言っても過言ではありません。そのためLPの場合はファーストビューが全体の重要度の6、7割ほどにもなると言われています。
ユーザーがスクロールせずに目にするファーストビューで、正しいキーワードにあった内容になっているか、価値提案や行動喚起を明確に配置できているか、信頼を損なわないデザインになっているかを見直しましょう。
ファーストビューの確認チェックリスト
- キャッチコピーは「誰に」「何を」「どのように」などが伝わるようにできているか?
- サービスや商品のイメージが直感的に伝わるビジュアル配置になっているか?
- スクロールせずに伝えたい情報が伝わるようにまとめられているか?
- 第一印象で信頼を損なわないモダンなデザインになっているか?
- PCやスマートフォンなど、主要ユーザーに合わせたデザインになっているか?
- 画像が重かったり、過度なアニメーションでページ速度や表示が遅くなっていないか?
- CTA(行動喚起ボタン)がある場合はわかりやすくなっているか?
- 行動を後押しする言葉が自然に盛り込まれているか?
ユーザーの悩み喚起・言語化
ランディングページで冒頭によくある「こんなお悩みはありませんか?」というセクションですね。
最近では見慣れすぎてしまっている感じがありますが、このセクションが無いと、どんな人に向けた商品やサービスなのかが伝わりにくくなります。
どうしてもファーストビューで商品やサービスを伝えきることは難しいので、ファーストビューで「読んでみようかな」と思ってもらったら、その次に「こんなことで悩んでいませんか?」「こんなものをお探しではないですか?」といった問いかけをユーザーにしてみましょう。
悩み喚起セクションの確認チェックリスト
- ユーザーの悩みを言語化できているか?
- ユーザーの言葉で悩み喚起できているか?
- ユーザーが共感できるような悩みになっているか?
- 具体的な悩みになっているか?
信頼性を補強するデザイン・情報の配置
ネットショップなどでも、ユーザーは利用したことが無いWebサイトからの購入はとてもためらいます。
デザインが古臭いとお金をかけていないと思われたり、逆にデザインが洗練されていても、どんな人が販売しているか全くわからないようなページだと、ユーザーは購入・申込みには至りません。
信頼性を裏付ける要素を盛り込みましょう。
たとえば全く同じ商品が同じ金額でA社、B社で販売されていた場合、多くのユーザーはページのデザイン=信頼性・人気と捉えて購入する傾向があります。
信頼性の確認チェックリスト
- 実績(導入社数、累計利用者数、販売数など)が具体的な数字で示されているか?
- お客様の声や、口コミなどの掲載があるか?
- メディア掲載歴や受賞歴などの第三者評価が提示されているか?
- 事例などが紹介されているか?
- 会社情報・代表者情報など自己開示ができているか?
- 返金保証やサポート体制など、安心感につながる情報があるか?
コンテンツの分かりやすさ
伝えたいことが多すぎると、結局ユーザーに情報が伝わりません。
一方で伝えたいことが少なすぎる、ユーザーは不安を抱きます。
情報整理と表現の工夫で、ユーザーにとって理解しやすいLPに整えることが重要です。
よくあるケースとして、LP制作がはじめての方などは、商品・サービスのメリットを多く語りたいがあまりとても文章が長くなってしまうというケースです。
すでにあなたの見込み客であり、熱度が高い顧客の場合はセールスレターのような長い文章もちゃんと読んでくれますが、新規の顧客の場合は数百文字以上の文章はまず読みません。気になる見出しの文章だけ少し読む程度です。
つまり、基本的に文章は読まれないことを前提として、要点をちゃんと伝えるコンテンツ作りというのが大切になってきます。
コンテンツの分かりやすさの確認チェックリスト
- メリットとベネフィットが混同しすぎていないか?
- ブログやセールスレターのように文章量が過剰でないか?(長文よりも簡潔な説明+図解やアイコンが有効)
- 「専門用語」「業界用語」が多すぎず、誰でも理解できる言葉になっているか
- 見出しごとに内容が整理されており、読み飛ばしても要点がわかる構成になっているか
- 強調したい箇所は色や装飾でメリハリをつけているか
行動を促す導線設計
LPの目的は「行動を促すこと」です。
CTAの配置やフォーム設計に不備があると、せっかくの訪問も無駄になってしまいます。
そのためわかりやすいCTAの設置というのは大切になります。
LP内でどこにCTAがあるのか、というのは大体同じではありますが、それでも分かりづらくて探さなければいけないLPもよく見ます。
たとえば効果的なのが、スクロールに追従するFIX型のCTAです。
ユーザーの不快にならないように考慮するのが大切ですが、機会損失・問い合わせのハードルを大きく下げる効果があります。
そのため、現在のLPのCTA配置などが効果的なものになっているかを考えてみましょう。
- CTAは各セクションに自然に配置されているか?
- CTAボタンの文言は「申し込む」ではなく「無料で体験する」など具体的かつ安心感を与える表現になっているか?
- 電話が有効だが除外してしまっていないか?
- 問い合わせフォームの項目数は必要最小限に絞られているか?
- 入力補助(例:郵便番号で住所自動入力など)があり、ストレスが少ないか?
- ボタンの色やサイズが、他の要素に埋もれずに視認性を保っているか?
競合との差別化・オファーの弱さ
ユーザーは常に複数の選択肢を比較しています。
全く同じような商品・サービスの場合、ユーザーは競合と比べたときに「この会社ならではの価値」が示されていなければ、最終的に選んでくれません。
たとえば、「大手には質や料金でも勝てない」といった場合でも、その他のメリットを強調することで売れ行きを伸ばせる可能性は多々あります。
LPは作ったら終わりではなく、ABテストなどの検証や解析によって、どのようなものをユーザーが求めているのかを常に研究することが大切です。
- 他社にはない独自の強みを明示しているか?
- 価格やサービス内容が競合と比較して理解しやすい形で提示されているか?
- 差別化ポイントが「曖昧な表現」ではなく具体的な数字や事例で語られているか?
- ブランドの理念や想いが伝わり、共感を得られる内容になっているか?
まとめ
LPは単なるデザインではなく「ユーザーに行動してもらう仕組み」が整って初めて成果につながります。
本記事で紹介したチェックリストは、実際の改善作業で優先度をつけながら取り組める内容です。
- ファーストビューで興味を引く
- 信頼できる根拠を示す
- 分かりやすく伝える
- 行動を後押しする導線を整える
- ストレスのない体験を提供する
- 独自性をアピールする
この流れを徹底することで、成果の出ないLPは「反応を生む営業ツール」へと変わります。改善点を一つずつ実行し、ぜひ御社のLPに成果をもたらしてください。


